
ハリウッド映画業界紙の老舗「ハリウッド・レポーター(THR)」が17日、大人気コミックを実写映画化した劇場版『テラフォーマーズ』の論評を掲載。原作ファンの興味も引くことすらできない、魅力に欠けた作品だったと酷評している。
三池崇史監督がメガホンを取った『テラフォーマーズ』。
妙なほど物語に起伏がなく、原作にあるコミカルな魅力や緊張感は皆無だった。全編を通して説明過多でありつつながらも何一つ言いたいことが伝わってこない作品に仕上がっている。
映画冒頭の30分間は「火星に送り込んだゴキブリが巨大化したため戦わなければならない」というあらすじを、登場人物らがダラダラと説明口調なセリフで展開。そして残りの80分間といえば、緊張感に欠けたユルユルな戦闘を繰り返し続けていくだけである。
また「火星を植民地化するため黒肌の原住民を駆逐する」という物語も不快だ。
過去には原作漫画が「人種差別的」で「外国人嫌悪」だと批判されたこともあったが、三池監督は立派にも本作でゴキブリの色を黒から茶色に変更。原作と比べ”アフリカ黒人っぽさ”が消えているが、それでも不安材料である事に変わりない。
4月の沖縄国際映画祭で上映するなど、アジア地域の原作ファンにも広く興味を持ってもらうことが当初の計画だったはずだ。
しかしこのクオリティでは、映画そのものよりも三池監督の名前目当てで劇場に足を運ぶニッチなターゲットへ訴求していくことになるだろう。

茶色に変更された巨大ゴキブリ
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