ボストン美術館の和服試着イベントは「人種差別」「帝国主義」に関連した画像-01

米・ボストン美術館の和服試着イベントが「人種差別」だとして中止になった。

同美術館では、フランスの画家モネの作品「ラ・ジャポネーズ」の前で和服を羽織り、写真を撮ることができる体験型のイベントを開催。しかし「人種差別」「帝国主義」にあたると抗議を受け、美術館が正式に謝罪する出来事があった。




こちら、モネの「ラ・ジャポーネーズ」。1870年代パリを席巻した日本ブーム「ジャポニスム」の代表的作品と言われている。
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ボストン美術館では、来館者に似たような格好をしてもらえる体験イベント「キモノ・ウェンズデー」を実施。しかしこれが「人種差別」「帝国主義」だと物議を醸してしまったのだ。
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一体これのどこが問題なのか?

批判・抗議を行った団体「Stand Against Yellow Face」の主張は以下の通りだ。

和服試着イベントは「人種差別的」である
・アメリカ社会ではアジア文化が単一的に「エキゾチック(珍奇)なもの」である、と解釈されてしまっている。このイベントはそれを助長するのではないか

・この”コスプレ”会場では、日本社会における着物の重要性についての説明もなく、ただ衣服が渡されるだけ。アジア各国が互いにどう文化的影響を及ぼしてきたのか説明せず、日本・アジア文化をただ「エキゾチックな体験」と貶めるのはアイデンティティや歴史に対する侮辱だ

・なお衣装は着物ではなく打掛(うちかけ)である。「キモノ・ウェンズデー」と称しておきながら、文化をきちんと伝える気はあるのか?


和服試着イベントは「帝国主義的」である
・日本は1854年まで鎖国をしていたが、アメリカが銃を突きつけ開国を迫ったことで「ジャポニスム」が始まった。東洋への圧政や侵略を反省するのではなく、逆に来館者に着物を着せ「オリエンタリズム」に興じさせることは欧米諸国の植民地政策(帝国主義的な支配や奴隷)の正当化に繋がる

・「オリエンタリズム」は人種主義的な見方や帝国主義の基盤にもなっており、このイベントを通してそれを正常なことだと捉える人も出てくるのではないか。美術館でやるべきことなのだろうか?

記事がユルクなくてすみません。個人的に理屈が気になったので・・この辺の議論に興味がある方は、エドワード・サイードの「ポストコロニアル理論」あたりを参照すると分かりやすいかと思います。