
海外のエンタメサイトListCountyが、「泣ける映画トップ10」を紹介。『グリーンマイル』『マイ・ガール』など号泣映画の強豪達の中に、高畑勲監督のアニメ映画『火垂るの墓』がランクインした(Livedoorニュース)。
今回は『火垂るの墓』の海外評価を紹介してみましょう。
IMDbでの評価:8.5/10点

<海外の反応>
Earely氏(643ポイント)
戦争の代償を思い知らされた、美しく、かつ忘れられない傑作だ。このアニメに、ピクサーやディズニーのようなハッピーエンディングを期待してはいけない。ただ戦争の悲惨さを物語る映画でしかないからだ。何度も涙にむせる場面があった。ジブリの最高傑作だと思う。
Nogami氏(420ポイント)
こういう映画を観ることで戦争への態度も変わると思う。誰が本当に苦しむのか、失ったものの重みに比べたら名誉や栄光がなんと底の浅いものなのかを思い知らされる。最高傑作ではあるが、もう観たくない。
Lupercali氏(416ポイント)
トラウマになるのを覚悟で観たが、「美しい」の一言だ。あからさまな反戦メッセージを入れるわけでもなく、暴力シーンも少ない。そういう意味ではドラマを期待して見てはダメ。生の美しさと脆さを詩的に綴った作品であり、偽りのなさに感銘を受けた。
BlackRainbow氏(315ポイント)
友人と見て、二人で泣いちゃいました。怖さ、共感、悲しみ・・色々な感情が込み上げてきて堪えられませんでした。もう2回目は見れないかな。
Theoron氏(211ポイント)
世界への見方が変わる映画に出くわす事がありますが、これがその1本でした。日本では反米のアニメは多いです。確かにこの映画では米軍が原爆を落としてはいますが、あからさまに反戦を謳ってはいません。清太や節子のような境遇の子は現代でもいるはずです。
Rotten Tomatoesでの評価:97%

<海外の反応>
Roger Ebert氏
アニメーションの意味を考え直させるほど、感情を揺さぶられる作品だ。
David Jenkins氏
「戦争は地獄だ」という今や使い古されたアイディアを、高畑勲監督は新しい方向から光を与えることに成功している。
Amazonでの評価:4.7/5点

<海外の反応>
Ian Krupnick氏(557ポイント)
15年前の作品だが、今見ても美しく感じる。この映画には希望や明るい未来というものがなく、見たものの心を完全に打ち砕く、そんな作品だと思う。戦争と生をありのままに描いた部分、少女が蛍の中で遊ぶシーンの美しさ、そしてこの映画の結末を評価したい。
Amazon Customer氏(351ポイント)
これは今までに見た映画の中でも、最も心に訴えかける反戦アニメ!これを観るのは痛々しい体験になるが、戦争の恐ろしさを教えてくれる絶対に忘れられない映画になるはず。子供に見せる場合は慎重に!!アニメ映画とは何か、その見方を変えてくれる。
David J. Huber氏(112ポイント)
真のアートだと思う。あなたを変える魅力があり、ストーリーを忘れさせない力がこもっているから。絶対に日本語音声で見るべき傑作、星を10億個つけたいところ。
「最も参考になったレビュー」から海外の反応を抜粋してみましたが、映画自体の総合点も高く、軒並み高評価であることが分かりました。
あるレビューワーの「ありのままに描いた」という感想は、完璧主義者・高畑監督の求めた徹底的なリアリズムの積み重ねなのかもしれません。
B29がどちらの方向からやって来たか当時の資料を全て調べあげた上で、清太の家の玄関と庭の方向を考慮し、清太が見上げる顔の向きを決めた・・土手の草に至っては、その種類が分かるぐらい一本一本正確に描き込まれている・・・など多くの逸話が残っています。
人それぞれ様々な感想がありましたが、やはりあの映画は外国人にもトラウマを与える衝撃があるのですね。